我が家で私のランクは断トツの最下位

20代までは何人もの女性と交際してきましたが、どの女性とも結婚を意識することはありませんでした。仕事の上でしっかりと独り立ちできていなかったのも理由でしょうが、そもそも結婚自体がどこか他人のことのように思えていたからです。大学時代の友人は何人か20代で結婚しましたので、結婚式を数回経験しましたが、それでも心境に変化は無し。将来的に結婚するかもしれないし、しないかもしれない…そんなスタンスで30代へ突入しました。

31歳の頃、友人に呼ばれて飲み会に顔を出すと、そこに小柄で可愛らしい女性がいました。年齢は20代半ばを過ぎたところで、幼稚園の先生をしているとのこと。ちょうど彼女がいなかった私は彼女にひとめぼれをし、友人のバックアップもあってめでたく交際することに。彼女は優しくて、可愛くて、子供が大好きで、そして私の両親とも大変仲良しでした。生まれて初めて「この人とだったら人生を一緒に歩めそう」と感じ、1年半の交際期間を経て彼女とゴールインしました。

家に帰ってくると妻が迎えてくれるという何気ない日常の一コマに幸せを感じる新婚生活でした。楽しさや幸せは、二人で感じると3倍にも4倍にもなるものだと気づかさせてくれた日々でした。ところが、子供が生まれたのと同時に妻の態度が一変し、その後はまるでペットのような扱いに格下げされていったのです。妻にとって大切なものは断トツで子供が1位なのは間違いありません。2位、3位がなくて4位にやっと私という感じ。子供への接し方と私の扱い方は雲泥の差です。朝の「行ってらっしゃい」は、子供が生まれるまでは玄関まで見送ってくれて、姿が見えなくなるまで手を振ってくれていた妻。出産後は、背中をこちらに向けたまま顔も合わせずに投げやりなひと言だけ。「おはよう」や「おやすみ」も、しょうがないから言ってやろうというだるい感じ。

それでも私は怒ることなく、明るく元気に妻へ挨拶を続けています。万が一、私が怒って挨拶をしなかったら、それ以降全く夫婦の挨拶が無くなってしまうのではないかという恐怖感があるからです。一度崩れ始めると、雪崩のようにあっという間に結婚生活が破たんしてしまう可能性も否めません。私の感情をぐっと押し殺すことで何とか生活を続けることができるのであれば、それでいいと考えています。それで家庭を守れるのであれば、子供を守れるのであれば本望です。

家庭内の私のランクは非常に低いのが現状ですが、それでも妻と結婚して後悔はありません。DNAレベルでつながった子供が大切な気持ちはもちろん理解できますし、母親としての責任の大きさに苦しんでいることも理解できます。家族には、人知れない問題や悩みが多数存在すると思います。私のこんな悩みなどは、他の方の悩みに比べたら大したことではないでしょう。きっとそうです。上を見ても下を見てもキリはありません。自分の置かれた現状を受け入れて、その中で最善の努力を続けることこそ大切だと思っています。

結婚当初の夫婦の姿をそのまま何十年も維持できることはまずないでしょう。子供ができて環境が変化もしますし、夫婦それぞれのプライオリティーも年齢と共に変化していきます。その変化の中で障害が生まれた時に、夫婦どちらかが折れなければ生活を継続することは困難となります。女性にはいつも笑顔でいてもらいたいもの。そのために男性が多少犠牲になることは仕方ないと感じます。妻が感謝の言葉を口にしてくれないこともあるでしょうが、安心してください、心の中では必ず夫に対する尊敬を感謝の念を抱いているものです。